私たちが正月に食べるおせち料理は「御節供(おせちく、おせつく)」や「節会(せちえ)」の略称で、中国から伝わった五節供の行事に由来するそうです。奈良時代には朝廷内で節会が行われ、そこで提供される大盛の白米を節供(せちく)と呼んでいました。時代が進むにつれて五節句の祝儀は広く一般家庭に普及し、のちに最も重要であるとされる正月の節会で提供される料理を「おせち」と呼ぶようになりました。おせち料理の基本は、蒲鉾やだし巻き卵、黒豆や田作り、栗きんとんなどから三種ほどを選んで詰めた「祝い肴三種」、昆布巻きや椎茸の煮物、梅花人参などの煮物料理を詰めた「煮しめ」、紅白なますやちょろぎ、蓮の酢漬けなどを詰めた「酢の物」、そして鯛や海老などの魚介類を焼いて詰めた「焼き物」で構成されます。
地方により構成は異なりますが、祝い肴三種は関東では黒豆と数の子と田作りが一般的であり、関西では黒豆と数の子、そしてたたきごぼうから構成されることが多いそうです。現在では食品の保存技術の進展により寿司などの生ものを入れるケースも増えたほか、食文化の多様化により肉料理を入れたものが増えただけでなく、中華料理やフランス料理などをモチーフとしたさまざまなテーマのおせちが百貨店や通販サイトでみられるようになりました。2018年の通販特集をみると、代替重箱2~3段の2~3人前が8000円~10000円で、4段程度の3~4人前が15000円から30000円で販売されているようです。おせちのことならこちら